配偶者居住権とは、被相続人の所有する建物(又は夫婦で共有する建物)に居住していた配偶者が、一定の要件を充たすときに、被相続人が亡くなった後も賃料の負担なく、生涯(または遺産分割などで決めた期間)その建物に住み続けることができる権利です。
配偶者居住権を取得するには
配偶者居住権を取得するには、以下の要件を満たす必要があります。
- 被相続人の財産に属した建物に相続開始の時に配偶者が居住していること
- 被相続人の遺言や、相続人間の遺産分割協議等によって、配偶者居住権を取得するとされたこと
- 被相続人の相続開始時に配偶者以外の者と当該建物を共有していないこと
- 2020年4月1日以降に開始した相続であること(改正法附則第10条第1項)
- 2020年4月1日以前にされた遺贈ではないこと(改正法附則第10条第2項)
また、配偶者居住権の存在を第三者に対抗するには、登記をすることが必要であり、相続登記の後(または同時)に配偶者居住権設定の登記を行うことになります。
メリット
配偶者は、建物の所有権を取得するよりも低い価額で居住権を確保することができるので、遺言や遺産分割の際の選択肢の一つとして、配偶者居住権を取得することによって、預貯金等のその他の遺産をより多く取得することができるというメリットがあります。
配偶者居住権の制限
配偶者居住権は第三者に譲渡したり、所有者に無断で建物を増改築や賃貸することはできません。
ご準備頂きたい書類
所有者(建物を相続された方)
- 登記識別情報
- 印鑑証明書(発行後3ヶ月以内のもの)
- 固定資産評価証明書
被相続人の配偶者
- 住民票
- 戸籍謄本
次の書類が存在する場合
- 遺言書
- 遺産分割協議書(印鑑証明書付)
- 死因贈与契約書
費用の目安
種別
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報酬額
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登録免許税 他
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配偶者居住権の登記
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50,000円~
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建物の評価額 × 2/1000
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配偶者居住権の抹消の登記
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15,000円〜
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1,000円
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